徳島県美馬市脇町拝原
拝原東遺跡は、曽江谷川によって形成された扇状地上に位置する集落遺跡。
2004(平成16)年から道路建設に伴い開始された調査では、弥生時代終末期〜古墳時代初頭と中世の2つの時代の生活面が確認された。弥生時代終末期〜古墳時代初頭の遺構では、竪穴住居跡7棟や土器棺墓などが検出された。竪穴住居は平面形が円形または隅丸方形になるもので、一部の住居は壁の外側に方形の張り出しをもつもの、壁の内側沿いに一段高い「ベッド状遺構」をもつものがある。中央に作られた炉の周辺からは鉄製品やその未製品、叩石や台石が点在していることから、住居内で鉄器製作を行っていたことが分かる。
拝原東遺跡では、吉野川下流域などの地域から鉄素材を入手して、製品に加工し中・上流域の集落へ供給する役割をもっていたのであろう。出土土器には吉野川下流域や香川県からもたらされたものも含まれ、他地域との交流の様子をも示している。吉野川中流域の拠点集落の一つ。
美馬市教育委員会